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【レビュー】キノの旅XXI(21巻)の感想【ネタバレ注意】

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再アニメ化して話題の『キノの旅』。

遅ればせながら最新21巻を読んだのでネタバレ有りで感想を描いていきたいと思います。

 

プロローグ「見える真実・b」

「心霊写真」を見て涙を流す老人。それを撮ったフォト。

なんのこっちゃ?

と思いましたがプロローグエピローグは順序を逆にして先にオチを書くキノの旅の様式美ですね。

詳細は「見える真実・a」で。

 

口絵「巨人の国」

自分たちにとっては当たり前で珍しくもないことが、他所からきた人にとってはめちゃくちゃ珍しいみたいな話。

この手の話はたまにキノの旅でも見かけている気がしますが、既視感なく読めるのは筆者の力量でしょう。

あと像を見てるキノがクッソ可愛い。

 

カラーなあとがきⅡ

まーたカラーなあとがきか。

と思ったら前回はもう14年も前だったということに驚愕。14年前といえば僕は12歳。中一です。初めて読んだラノベがこんなに長く続くとは思いもしなかった、、、

 

有名になれる国

Youtuberを揶揄した話。

久しぶりに来訪した旅人(=有名人)であるキノに執拗に付きまといラジオ配信をする男はまさに迷惑行為を繰り返すYoutuberそのもの。

序盤はもっと寓話じみてて2chとか考察サイト巡らなきゃ意味分かんない話もあったけど、いつのころからかけっこうストレートに風刺することも増えてきた印象です。

 

美男美女の国

シズたちの話。

だんだん血が混じっていくと特徴が薄れ、個性のない平均的な(=非常に整っていて、一般的に美しいとされる)顔になっていく。というのがびっくりでしたね。

この辺はフィクションじゃないよね?

まあつまりシズも、美形(この国の人たちにとっては無個性でつまらない顔)ということが認められたんだと。

あとフィーが珍しくいっぱい喋ってましたね。

「なかみを、みてほしいもんな」

渋いなフィー。

 

Nの国

なんかN高校とかいう通信制の高校が話題になってたけど、そのNですかね?

義務教育はあるものの学校に通う必要はなく、通信教育を受けることができる国。

システム的には悪くないと思うし、学校の先生の意見もまあ納得。ただ僕なら絶対だらけてたから強制的に登校させられるシステムでよかった。

そして、結局リアルで会いたがる学友たちに辟易?し結局雪解けとともに旅立つキノ。

キノのこういうとこ大好き。

 

読書が許されない国

短い話。

禁止されてるとなんかやりたくなっちゃうよね。すごいわかる。

 

満員電車が走っている国

まあ満員電車に毎日乗るのは一種の刑罰だよね、、、

アレをしないで済むならおとなしくなるかもな。

 

消えた国

キノ大立ち回りか?と思って読み進めていたら意外な結末だった。

どっかの北の国みたいだなーと思いました。さりげなくキノが自分の都合いい方向に隊を誘導してるんですよね。

読み終わるまで気づかなかったけど。こういうの途中で気づける人ほんとすごいと思う。

 

完璧な国

完璧な人間ってのはICチップ脳に埋められてAIに操られる人間だったっていう。

全員がこうなって自意識を奪われた後の世界はいったいどうなるんでしょうかね。

 

鍵の国

「ん? だから”最後まで”だよ、キノ」

というセリフが味わい深い。

鍵を回さなくなった時が最後なんだから、どんな終わり方であれ”最後”まで続くんでしょう。

 

女の国

この巻はもうこの話でしょう。

師匠の過去が明かされました。名前も。レジ―っていうんですね。

扉絵に車が描いてましたが、全然気づけず。

最初に出てきた師匠(レジ―じゃないほう)があの師匠だと思ってたくらいです。

ところでなんでレジ―は商人たちを殺してから口調が変わったのか。読み解けなかった。考察サイト巡りがはかどるなあこれは(白目)

あと師匠の最期って描かれましたっけ?

荷物持ちの相棒の方は多分優しい国で死んだんだろうけど師匠の方はちょっと思い出せない。それも含めて過去作読み返しかな。

 

毎日死ぬ国

短い。哲学的。

こういう短いけど何か考えさせる話で締めるのいいですね。

 

エピローグ「見える真実・a」

巻頭の謎が明らかになります。

家に帰ろうとしない病気のじいさんのために、亡くなった奥さんの「心霊写真」をでっちあげるフォト。

フォトって嘘とかつかないイメージだったけど、まあこの話は優しい嘘だからセーフか。

いい話だった。

 

あとがき

今巻2つ目のあとがき。1冊に2つあとがきぶっこむのは時雨沢先生だけだよ(褒め言葉)

こっちは普通のあとがきでした。アニメ化嬉しいってのが伝わってこっちも嬉しいよ。

 

 

 

年に1冊ペースなのでもどかしい気持ちはありますが、安定して読めるだけありがたいのかなとも思います。また来年の新刊を楽しみに待ちましょう。

 

以上