適応障害という病気について
どうも、ウオズミです。
適応障害という病気を患い、約4ヶ月の休職を経験しました。
周囲は僕の精神不調について概ね理解してくれていたのですが、やはり「うつ病」と間違われることも多々ありました。
そこで、この記事では適応障害とうつ病の違いについてまとめたいと思います。
適応障害とは
まず、適応障害とはどのような病気かというと、
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ、そのために気分や行動面に症状が現れるものです。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html より
厚生労働省の定義ではこのようになっています。
ある状況や環境に適応できず、耐えがたい苦しみを感じる状態というものです。
原因
「ある特定の状況や出来事が、その人にとってとてもつらく耐えがたく感じられ」とあるように、適応障害はそのような状況からもたらされるストレスが原因となって引き起こされます。
ストレス耐性には個人差がありますが、その人にとって耐えられないストレスだと感じると、症状が出てきます。
僕の場合は、職場でのストレス(達成困難な仕事、パワハラ、100時間/月に及ぶ長時間残業)に耐えられず、適応障害を発症してしまいました。
症状
代表的な症状としては
- 抑うつ的な気分
- 抑えられないほどの不安や焦り
- 不眠
- 多汗や動悸
- 頭痛やめまい
- 反社会的な行動・攻撃的、無謀な言動(暴飲暴食や暴力・暴言、無断欠勤など)
があります。
抑うつ気分、つまり落ち込んだり暗い気分になる点はうつ病と似ているといえるでしょう。
ちなみに僕個人としては、抑うつ気分・抑えられない不安・頭痛・動悸・暴飲暴食に苦しみました。
ストレスから離れると改善する
適応障害の大きな特徴として、ストレスの元から離れると症状が軽くなることが挙げられます。
僕は職場でのストレスが原因で適応障害になったため、仕事中に気分の落ち込みや言いようのない不安感に押しつぶされ、絶望的な気持ちでした。
しかし休職期間に入ってしばらくすると症状がやわらぎ、友人との旅行や飲み会なども楽しめる精神状態になりました。(仕事に復帰できるまではさらに時間を要しましたが)
うつ病とは
適応障害に対し、うつ病とはどのような病気なのでしょうか。
うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_depressive.html より
脳がうまく働かず、何事にも否定的になったり悲観的になったりする状態です。
原因
うつ病も、精神的・身体的ストレスによって引き起こされます。
特に現代では過労や人間関係の悩みが原因となるケースが多いようです。
症状
適応障害と似ている部分もありますが、代表的な症状として
- 抑うつ気分
- 過度の不安・焦り
- 不眠
- 何事にも興味を持てない・無気力状態
- 考える力が落ちる
- 自分は無価値だと自分を責める
- 食欲・性欲の減退
- 自殺について考える・試みる
などが挙げられます。
落ち込んだ気分よりもさらに悪く、すべてに無関心・無気力となってしまう特徴があります。
常に憂鬱な気分
適応障害の場合はストレスから離れることで症状が改善していきますが、うつ病の場合はそうもいきません。
抑うつ状態は常に続き、仕事を休んでもずっと気分が落ち込み、自らを否定するような思いにとらわれます。
旅行したり誰かと会ったりすることもできず、ただ無気力な状態です。
共通点と違い
適応障害とうつ病は、主に情緒面での共通点が見られます。
抑うつ気分や不安、焦りなどが主な例です。
そして、こういった症状が共通しているため適応障害とうつ病が混同されやすいのでしょう。
大きな違いとしては、症状が持続するか否かという点です。
どちらの病気も同じように気分が落ち込んだりしますが、適応障害の場合はストレスから離れると次第に症状が軽減していきます。
対してうつ病となると、ストレスから離れたとしても1日中ずっと抑うつ気分や無気力感にさいなまれるようになるのです。
この症状の持続性が最大の違いといえるでしょう。
また、行動面においても適応障害とうつ病には違いが見られます。
適応障害の場合は、ストレスのあまり暴飲暴食に走ったり、暴力・無謀な運転といった攻撃的な態度をとったりすることがありますが、うつ病にはそれがありません。
うつ病はそのような行動に出る気力すらないような状態になってしまいます。
治療法について
基本的には、適応障害とうつ病の治療に大きな違いはありません。
両者とも、
- ストレスから離れ、休息する
- 適切な薬の処方(抗不安剤や、場合によっては睡眠導入剤など)
- 医師やカウンセラーによるカウンセリング
が大切になってきます。
うつ病の場合はストレスから離れたからといって症状がよくなるわけではないですが、無意味ではありません。
効果的に治療をするには、やはり適切な休息が必要となるでしょう。
心に負担をかけながらでは、よくなるものもよくなりませんからね。
適応障害が悪化するとうつ病になることも
適応障害とうつ病は似て非なる病気です。
しかし、適応障害はうつ病の手前の段階だともよく言われます。
実際に適応障害の人の内40%は5年後にうつ病になるという統計もあるそうです。
仕事や人間関係で苦しい、辛いという思いを抱えたまま我慢し続けた結果、気がついたら「どんなときも何をするにも無気力だ」という状態になってしまう恐れがあります。
やはり、早期の内に適切な治療をすることが一番大切だといえるでしょう。
まとめ
適応障害とうつ病の違いについて、僕自身の経験も交えてまとめました。
適応障害の症状しか経験のない僕がいうのも少し変ですが、調べてみるとうつ病のほうが辛そうだな、と思います。
僕は幸い休職期間中も、職場には行けないまでも仕事の利害関係がない人とは普通に話したり遊んだりできたので、症状が悪くなる前に休職という選択をしてよかったと感じています。
仕事や学校を休むのはなかなか難しいことかもしれません。
しかし本当に辛いときは自分の心の健康を最優先して行動することを何よりもおすすめします。
以上、ウオズミでした。